Anime Aura VFX 技術解説①

概要 この記事について

 UE5 向けの NiagaraSystem アセットである Anime Aura VFX についての技術解説です。
全3回に分けての解説を予定しています(これはボリューム等を見て変更する可能性があります)。

第1回 Anime Aura VFX の原理(本記事)
第2回 パーティクルの投影
第3回 濃度マップ→表現

 このシリーズを通して以下のような知見を得られる可能性があります

  • NiagaraSystem における SimulationStage 活用事例
  • 本アセットのユーザーにとっては
    • 調整のヒント
    • 可能な表現の幅の把握

 第二回は NiagaraSystem、第三回は Material について多く触れることになる予定です。

 実は以前すでにに軽い説明を書いているのですが、これをより具体的にしていく感じになります。
よければ予習にどうぞ(これを読んでいる前提の記事にはしませんのでそこはご安心下さい)。 nkdtr.hatenablog.com

Anime Aura VFX について


 キャラクターの体から発する「気」「オーラ」「呪力」のようなものを表現することを主目的としたものです。
以下のような特徴を併せ持ちます。

  • 2D的な表現(輪郭が存在したりもする)
  • キャラクターのポーズにフィットした形状

https://www.unrealengine.com/marketplace/en-US/product/a4e3c75346a74e85a7b0aa7505f23bb2www.unrealengine.com

大雑把な原理

一般的な手法で実現できないのかという問題

 この手の表現が必要となった際にゲーム用エフェクトに馴染みのある方がひとまず思いつくのは以下の二つでしょうか。

  • 多数のパーティクルを用いる方法
  • 一枚のスプライトとマテリアルを用いる方法

 前者は UE5 であれば NiagaraSystem を用いることになります。
体表やボーン等からパーティクルを発生させることは容易いですし、実際ゲームではこの種の方法をとる場合が殆どでしょう。 ただ、2D的な表現は難しいかもしれません。
 後者はフリップブック状のテクスチャやマテリアル芸を用いるアプローチです。
こちらはキャラクターのポーズにフィットさせる部分で難を抱えます。
大きく表示するなどポーズに依存しない表現に落とすことが多いでしょうか。
SceneCaptureを使うなどしてポーズを参照することも考えられますが処理負荷は高そうです。

ハイブリッドな手法

 Anime Aura VFX ではこれらのハイブリッド的な方法をとっています。
つまり、

  1. SkeletalMesh を参照してパーティクルを発生させる
     →そのパーティクルを2次元に投影、分布を「濃度マップ」に記録する
  2. 濃度マップを参照する表現用マテリアルを用いて一枚のスプライトを表示

という手順となります。
 それぞれについての具体的な解説を次回以降で行います。

まとめ

 Anime Aura VFX 及びそのメカニズムのさわりについて説明しました。
 次回は NiagaraSystem (SimulationStage) でのパーティクルの投影についてです。
最も重要な部分であり長くなる見込みですので前後編に分かれる可能性があります。